ライフサイクル評価

ライフサイクル評価 (LCA) は、原鉱採掘から生産・製造・使用・保守・廃棄またはリサイクルに至るまで、製品やサービスのあらゆる段階に伴う環境影響に関する理解を提供します。LCAはエンドユーザー、規制当局、その他の意思決定者が環境という観点から最良の製品を判断する際に用いる比較ツールです。

一部の製品やシステムでは、ニッケルのライフサイクル影響(LCI)データの有無がそのLCAの結果に及ぼす差異がごくわずかであったり、まったくなかったりします。その理由は、使用されているニッケルの量がごくわずかであったり、別のインプットに関連する負荷や使用段階で発生する負荷(例:エネルギー使用や空気、水、土壌への二酸化炭素やその他の排出)があまりにも大きすぎて、ニッケルの負荷を取るに足らないものにしてしまったりするからです。

プログレソ桟橋の事例

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1941年に完成したプログレソ桟橋は、世界で初めてニッケル含有ステンレス鋼の鉄筋を使用して建造されたコンクリート構造体です。大規模な修繕や重大な保守を受けることなく、70年以上にわたり使われ続けてきました。ステンレス鋼鉄筋を利用することによる環境的・経済的便益を示すため、プログレソ桟橋で環境ライフサイクル評価とライフサイクル費用調査を組み合わせた調査が実施されました。サステナビリティ・ソフトウェアとコンサルティング会社thinkstepによって実施されたこの分析では、ステンレス鋼の鉄筋を用いたものと炭素鋼の鉄筋を用いた同一設計の構造体とを比較し、ゆりかごから墓場まで(生産から廃棄・リサイクルまでのライフサイクル全体)の影響が考察されました。工学技術の専門家らが、材料・保守や同地域の海洋環境における推定耐用年数の違いを考慮し、代替構造体のモデル化をしています。

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