ニッケルブログ

なぜバッテリーにニッケルなのか?

2023年12月19日

ニッケルは、ナノワイヤーからステンレス合金まで、さまざまな形態で存在します。しかし、電池に不可欠な元素であるニッケルには、どのような特性があるのでしょうか?


バッテリー

バッテリーは化学エネルギーを電気エネルギーに変換し、これによりスマートフォン、携帯用電動工具、自動車などのデバイスに電力を供給します。デバイスのサイズや電力要件に応じて、バッテリーには様々な化学組成、形状、サイズがあります。バッテリーは一つ以上の電気化学セルで構成され、これには二つの電極、すなわち負極と正極、そして電解質が含まれます。二つの電極が電気経路で結ばれると、電子が負極から流れ出て外部デバイスにエネルギーを供給します。

なぜニッケル?

リチウムイオン電池は最も広く使用されるバッテリータイプであり、様々な配合があります。NMCはリチウム・ニッケル・マンガン・コバルト酸化物の略で、最も一般的な正極です。

放電中、リチウムイオン(Li+)は負極から電解質を通して正極に移動します。NMCの正極はこれらのリチウムイオンのホストとして機能します。また、正極では、ニッケル、マンガン、およびコバルトイオンが電気経路を通過する電子を受け入れることで還元されます。この反応は逆にも行われ、バッテリーを再充電可能にします。

NMCの特筆すべき特徴は、ニッケルとマンガンを巧みに組み合わせる点にあります。

ニッケルは高い比エネルギーを有する一方で、その安定性は低いとされています。これに対してマンガンは低い比エネルギーを持ちつつも、安定性を提供します。この二つの金属を組み合わせることによって、互いの強みがさらに高まるのです。

この記事は、2023年12月発行の弊社ニッケルマガジン VOL38-3に掲載されたものです。

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