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ステンレス・オンライン・セミナー2022のご案内

2022年12月15日

「ステンレスの上手な使い方-特性と事例」

ステンレス配管研究会は2000年4月発足以来、日本各地および台湾中国などにて毎年セミナーを開催しております。今回は3回目のオンラインによる開催ですが、ステンレス鋼に携わる関係者多数の参加をお待ち申し上げます。

日 時 2023年1月17日(火) 14:30~17:00
場 所 オンライン会議システム「Zoom」にてアクセス
Zoomソフトは(https://zoom.us/download#client_4meeting)より無料ダウンロード可。
このウェビナーに事前登録していただき、ご登録後、ウェビナー参加に関する確認メールが届きます。
参加費 無料
定 員 100名
資 料 講演概要(アブストラクト)をこちらからダウンロード下さい。
主 催 ステンレス配管研究会
協 賛 ステンレス協会 ニッケル協会
申 込 セミナーお申し込み
お問い合わせ ニッケル協会東京事務所(担当:オウ ヨウ)
電話:03-3436-7953
お問い合わせフォームはこちらから
申込締切 2023年1月13日(金)
プログラム(※各講演の最後に5分の質疑応答時間を設けています)
14:30~14:35 開会挨拶
ステンレス配管研究会 名誉会長 工学博士 遅沢 浩一郎
14:35~15:20 講演(1)「ステンレス鋼とその特性」
講演者:日本冶金工業(株) 工学博士 及川 誠
15:20~16:05 講演(2)「淡水系におけるステンレス鋼の腐食事例と対策」
講演者:ステンレス配管研究会 工学博士 山手 利博
16:05~16:50 講演(3)「含塩化物溶液中におけるステンレス鋼の腐食防食」
講演者:元新日鐵住金(株) 工学博士 幸 英昭
16:50~16:55 閉会挨拶
ニッケル協会 東京事務所長 竹田 賢二
17:00 終 了
総合司会:ニッケル協会 東京事務所長 竹田 賢二

ステンレスセミナー2019(於:上海交通大学)の様子

主催者ご挨拶

ステンレスセミナー 2019(於:上海交通大学)の様子

ステンレス鋼は約100年前に発明された材料である。普通の鉄鋼は空気中に放置すると直ぐ錆びてしまうが、鉄に約12%以上のクロム元素を含有させるだけで、多くの環境でさび(腐食)に耐えるきわめて優れた実用材料である。クロムは、錬金術師が求めていた賢者の石のようなもので、これを加えることによって金は得られなかったが、錆びない鋼に変身したのである。耐食性などの向上を図るために、クロム以外にニッケル、モリブデンその他の元素を含有させたステンレス鋼も多く開発され、日本工業規格(JIS)にも80種類以上が規定されている。

本セミナーの主催者であるステンレス配管研究会(2000年に設立)は、一般、営業、技術および学校関係の方々を対象として、配管関連だけでなく、広くステンレス鋼全般に関して上手に使ってもらうために、セミナーを開いて解説およびアドバイスを行ってきた。ステンレス配管研究会の活動は、協賛者であるニッケル協会および日本のステンレス協会のご支援によって行なわれており、両協会の日頃のご協力に対して深く感謝致したい。

ステンレス配管研究会主催のステンレスセミナーは、過去に日本の主な都市ばかりでなく、台湾や中国でも、毎回100名以上の参加者を迎えて開催してきた。WEBでセミナーを開くのは3回目であり、リアル開催と異なり至らぬ点も多いと思うが、皆様に少しでもお役に立てれば幸いである。

ステンレス配管研究会 名誉会長 遅沢 浩一郎

遅沢 浩一郎(おそざわ こういちろう)

早稲田大学金属工学科卒業。
日本冶金工業(株)勤務。
主にステンレス鋼およびNi合金の製造技術・研究開発に従事。
1999~2009年日本冶金工業にて技術アドバイザーを務める。
現在、ニッケル協会顧問、ステンレス配管研究会会長、腐食防食学会名誉会員。

講演者紹介と講演概要

講演(1)「ステンレス鋼とその特性」
講演者:及川 誠(工学博士) / 日本冶金工業(株)

<講演アブストラクト>

ステンレスセミナー 2019(於:上海交通大学)の様子

ステンレス鋼は100年前に発明されて以来、世の中のニーズに合わせて多くの鋼種が開発され、多岐にわたる分野で使用されて社会に貢献している。
本講演では、ステンレス鋼の基礎知識として、ステンレス鋼の定義、分類や種類、代表的な特性(機械的性質、物理的性質、耐食性)や用途について説明を行う。

<講演者プロフィール>

及川 誠(おいかわ まこと)

東北大学工学部 金属・材料系 博士課程を終了(卒業)。
日本冶金工業(株)に入社。技術研究所に20年に勤務し、主に材料開発に従事。
2011年からは、(現在の部署である)ソリューション営業部にて、市場開発やソリューション型技術営業に従事。
現職はソリューション営業部 部長。


講演(2)「淡水系におけるステンレス鋼の腐食事例と対策」
講演者:山手 利博(工学博士) / ステンレス配管研究会

<講演アブストラクト>

ステンレスセミナー 2018(於:クラウン・プラザ珠海シティセンター)の様子

ステンレス配管が建築設備配管系に登場して40年以上になる。ステンレス鋼は水道水環境では既存の金属材料に比べて飛躍的に耐食性が高く,衛生と意匠的見地からも広く普及した。しかしながらその間,材質特性の周知不足等による設計・施工・使用上の問題から各種の腐食事象が発生し、ときに漏水事故に繋がることもあった。本稿では主に建築設備の屋内配管における代表的な腐食事例と淡水の一つである温泉での備品腐食について紹介する。また腐食要因と対策についても述べる。

<講演者プロフィール>

山手 利博(やまて としひろ)

明治大学工学部(現理工学部)工業化学科卒業。
広島大学大学院工学研究科環境工学専攻博士課程修了。
株式会社 竹中工務店(技術研究所)において水環境業務に従事し、その一環として設備配管・機器の腐食防食を担当。2013年退社。
現所属:ステンレス配管研究会
博士(工学)、腐食防食専門士((公社)腐食防食学会認定)、防錆管理士((一社)日本防錆技術協会認定)、(公社)腐食防食学会永年会員、(公社)空気調和・衛生工学会技術フェロー。


講演(3)「含塩化物溶液中におけるステンレス鋼の腐食防食」
講演者:幸 英昭(工学博士)

<講演アブストラクト>

海水および河川水等の自然水環境で発生するステンレス鋼の局部腐食は、ほとんどの場合表面に付着した微生物の影響を受ける。微生物存在下での自然電位の大幅な貴化が原因で、孔食・隙間腐食感受性が高まりやすい。SUS304、316等の犯用ステンレス鋼は、好気性微生物の影響で局部腐食の発生が避けられない。また、これらの汎用ステンレス鋼では河川水を利用した工業用水配管あるいは農水タンクにおいて、溶接部に微生物腐食を受けることがある。溶接時に生成した溶接スケールの影響で耐食性が劣化した部分が微生物腐食を受けやすい。10~20ppm程度の塩化物イオン濃度でインク壺上の局部腐食が発生することもある。溶接部の幾何形状から微生物が付着し易いことも原因である。以上、微生物と関係したステンレス鋼の塩化物溶液中での腐食防食について説明する。

<講演者プロフィール>

幸 英昭(みゆき ひであき)

東京工業大学 大学院 理工学研究科電子化学専攻修士卒業。
住友金属工業(株)※入社 和歌山製鉄所にて現場実習後、中央技術研究所 化学研究室 配属。以来、定年まで腐食防食分野の開発研究に従事し、その後、副主任研究員、主任研究員、研究主幹、部長研究員、2014年退社し、以後2018年まで特別講師として若手研究者を指導。
博士(工学)。腐食防食協会 理事、評議員を歴任、また2009年度腐食防食討論会実行委員長、腐食防食学会論文賞、鉄鋼協会俵論文賞、日本金属学会論文賞、材料学会技術賞、日本金属学会功績賞、腐食防食学会功績賞等。

※ 住友金属工業(株)は2012年に新日本製鐵(株)と合併し新日鐵住金(株)となり、2019年には日本製鉄(株)となっている。

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