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ステンレス・オンライン・セミナー2020のご案内

2020年10月13日

「ステンレスの上手な使い方-特性と事例」

ステンレス配管研究会は2000年4月発足以来、日本各地および台湾中国などにて毎年セミナーを開催しております。今回は初めてのオンラインによる開催ですが、ステンレス鋼に携わる関係者多数の参加をお待ち申し上げます。

日 時 2020年11月13日 (金)  15:00~17:00
場 所 オンライン会議システム「Zoom」にてアクセス
Zoomソフトは(https://zoom.us/download#client_4meeting)より無料ダウンロード可。
下記より参加申込をされますと、当日のオンライン・セミナーにアクセスするためのURLならびに会議IDとパスワードが通知されます。またZoomソフトをダウンロード後のテスト接続サイト(https://zoom.us/test)にて事前に接続をご確認ください。
参加費 無料
定 員 100名
資 料 講演概要(アブストラクト)をこちらからダウンロード下さい。
主 催 ステンレス配管研究会
協 賛 ステンレス協会 ニッケル協会
申 込 セミナー申し込みは終了いたしました
お問い合わせ ニッケル協会東京事務所(担当:平岡)
電話:03-3436-7953 Eメール:tokyo@nickelinstitute.org
申込締切 2020年11月12日(木)
プログラム(※各講演の最後に5分の質疑応答時間を設けています)
15:00~15:05 開会挨拶
ステンレス配管研究会 会長 工学博士 遅沢 浩一郎
15:05~15 40 講演(1)「ステンレス鋼とその特性」
講演者:日本冶金工業(株) 工学博士 及川 誠
15:40~16:15 講演(2)「建築設備配管系におけるステンレス鋼の腐食事例と対策」
講演者:ステンレス配管研究会 工学博士 山手 利博
16:15~16:50 講演(3)「海水環境におけるステンレス鋼の腐食と適用例」
講演者:MIYASAKA Lab. 工学博士 宮坂 松甫
16:50~16:55 閉会挨拶
ニッケル協会 東京事務所長 江崎 慎二
17:00 終 了
総合司会:ニッケル協会 東京事務所長 江崎 慎二

ステンレスセミナー2019(於:上海交通大学)の様子

主催者ご挨拶

ステンレスセミナー 2019(於:上海交通大学)の様子

ステンレス鋼は約100年前に発明された材料である。普通の鉄鋼は空気中に放置すると直ぐ錆びてしまうが、鉄に約12%以上のクロム元素を含有させるだけで、多くの環境でさび(腐食)に耐えるきわめて優れた実用材料である。クロムは、錬金術師が求めていた賢者の石のようなもので、これを加えることによって金は得られなかったが、錆びない鋼に変身したのである。耐食性などの向上を図るために、クロム以外にニッケル、モリブデンその他の元素を含有させたステンレス鋼も多く開発され、日本工業規格(JIS)にも80種類以上が規定されている。

本セミナーの主催者であるステンレス配管研究会(2000年に設立)は、一般、営業、技術および学校関係の方々を対象として、配管関連だけでなく、広くステンレス鋼全般に関して上手に使ってもらうために、セミナーを開いて解説およびアドバイスを行っている。ステンレス配管研究会の活動は、協賛者であるニッケル協会および日本のステンレス協会のご支援によって行なわれており、両協会の日頃のご協力に対して深く感謝致したい。

ステンレス配管研究会主催のステンレスセミナーは、過去に日本の主な都市ばかりでなく、台湾や中国でも、毎回100名以上の参加者を迎えて開催してきた。WEBでセミナーを開くのは今回が初めてであるので、至らぬ点も多いと思うが、皆様に少しでもお役に立てれば幸いである。

ステンレス配管研究会 会長 遅沢 浩一郎

遅沢 浩一郎(おそざわ こういちろう)

早稲田大学金属工学科卒業
日本冶金工業(株)勤務。
主にステンレス鋼およびNi合金の製造技術・研究開発に従事。
1999~2009年日本冶金工業にて技術アドバイザーを務める。
現在、ニッケル協会顧問、ステンレス配管研究会会長、腐食防食学会名誉会員。

講演者紹介と講演概要

講演(1)「ステンレスの上手な使い方―特性と事例」
講演者:及川 誠(工学博士) / 日本冶金工業(株)

<講演アブストラクト>

ステンレスセミナー 2019(於:上海交通大学)の様子

ステンレス鋼は100年前に発明されて以来、世の中のニーズに合わせて多くの鋼種が開発され、多岐にわたる分野で使用されて社会に貢献している。
本講演では、ステンレス鋼の基礎知識として、ステンレス鋼の定義、分類や種類、代表的な特性(機械的性質、物理的性質、耐食性)や用途について説明を行う。

<講演者プロフィール>

及川 誠(おいかわ まこと)

東北大学工学部 金属・材料系 博士課程を終了(卒業)。
日本冶金工業(株)に入社。技術研究所に20年に勤務し、主に材料開発に従事。
2011年からは、(現在の部署である)ソリューション営業部にて、市場開発やソリューション型技術営業に従事。
現職はソリューション営業部 部長。


講演(2)「建築設備配管系におけるステンレス配管・機器の腐食事例と対策」
講演者:山手 利博(工学博士) / ステンレス配管研究会

<講演アブストラクト>

ステンレスセミナー 2019(於:上海交通大学)の様子

ステンレス配管が建築設備配管系に登場して40年以上になる。ステンレス鋼は水道水環境では既存の金属材料に比べて耐食性が高く,衛生と美観的見地からも広く普及した。しかしながらその間,材質特性の周知不足等による設計・施工・使用上の問題から各種の腐食事象が発生し,ときに漏水事故に繋がることもあった。本稿では代表的な腐食事例と解析結果および対策について紹介する。主な腐食形態はすきま腐食,孔食,粒界腐食,応力腐食割れ(SCC),発銹,異種金属接触腐食であった。腐食原因は溶接不良や隙間構造による場合が多く,塩化物イオンや遊離残留塩素等の水質に起因するものもみられた。また腐食要因と対策について材料と使用環境の観点から示した。

<講演者プロフィール>

山手 利博(やまて としひろ)

明治大学工学部(現理工学部)工業化学科卒業。
広島大学大学院工学研究科環境工学専攻博士課程修了。
株式会社 竹中工務店(技術研究所)において水環境業務に従事し、その一環として設備配管・機器の腐食防食研究を担当。2013年退社。
現所属:ステンレス配管研究会
博士(工学)、腐食防食専門士((公社)腐食防食学会認定)、防錆管理士((一社)日本防錆技術協会認定)。


講演(3)「海水環境におけるステンレス鋼の腐食と適用例」
講演者:宮坂 松甫(工学博士) / MIYASAKA Lab.

<講演アブストラクト>

ステンレスセミナー 2017(於:大連海事大学)の様子

海水は塩化物イオン濃度が高いため、海水用機器・構造物では、ステンレス鋼はすきま腐食、孔食、応力腐食割れ(高温の場合)などを発生する可能性が高く、適切な材料選定と防止対策を必要とする。本講演では、海水性状の特徴とステンレス鋼の腐食との関係、ステンレス鋼の腐食事例、ステンレス鋼の適用事例として、海水ポンプへのステンレス鋼適用の推移(316系から二相鋼へ)、海洋構造物へのスーパーオーステナイト鋼の適用などを示す。また、異種金属接触腐食におけるステンレス鋼の役割(その他のカソード材料との比較)、ステンレス鋼のすきま腐食に及ぼす微生物および塩素処理の影響についても触れる。

<講演者プロフィール>

宮坂 松甫(みやさか まつほ)

MIYASAKA Lab.(腐食防食コンサルティング)代表
東北大学工学部金属工学科卒業、同年(株)荏原製作所(以下、荏原)入社 中央研究所配属、以後荏原および㈱荏原総合研究所(以下、荏原総研)にて、腐食防食、特に海水腐食の研究に従事。一方、マネージメント(荏原 理事、荏原総研 代表取締役)および海外営業支援も経験。その間、北海道大学 客員教授、早稲田大学 各務記念材料技術研究所招聘研究員。2017年、荏原を退職、以後現職。
博士(工学)(東京工業大学)、腐食防食専門士((公社)腐食防食学会認定)

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