ニッケルブログ

あなたは、自治体の廃水処理施設(WWTF)から出る水を飲みますか?

2021年8月26日

もともとの気持ち悪いという感覚を乗り越えるべき精神的なハードルはあります。
しかし、私たちはこの水が安全であることをよく知っていますし、このプロセスを支持しています。

処理直後の廃水は、現在水が不足している地域において、あるいは度重なる干ばつの際に再利用するだけでなく、将来の成長のために持続可能な水源を提供する新たな方法としてもその再利用が検討されています。

あなたは、自治体の廃水処理施設(WWTF)から出る水を飲みますか?

WWTFからの水は通常、川や湖、地下に流されます。それを別の場所からパイプで取り込み、処理をして、飲めるように、つまり完全に飲んでも安全であるようにしています。

しかし、人々は その「不快な感じ 」を克服しようとするでしょうか?

ペンシルバニア大学の生命倫理学者であるArthur Caplan氏が作ったこの言葉は、新しい技術に対する本能的な反応の影響を表わしています。例えば、再生水を飲むことに対する多くの人々の反応などです。しかし当然のことながら、国際宇宙ステーションなどでは廃水の再利用を実践しなければなりません。

処理直後の廃水は、現在水が不足している地域において、あるいは度重なる干ばつの際に再利用するだけでなく、将来の成長のために持続可能な水源を提供する新たな方法としてもその再利用が検討されています。

最近のビルでは、洗面所からの水を少しだけきれいにして、主にトイレの洗浄などの衛生的な用途に再利用しているところもあります。しかし、病原菌などの汚染が懸念されるため、要求される品質に到達するためにはより高度な処理が必要な飲料水にはほとんど使われていません。

技術的には、限外ろ過、逆浸透(RO)、オゾンや紫外線あるいは標準的な殺菌剤の使用などがありますが、いずれもニッケルを含むステンレス鋼を使用することが必要となってきます。主に304L(UNS S30403)または316L(S31603)が使用されますが、RO設備では二相合金がよく使用されます。

廃水を再利用することは技術的には可能ですが、「不快な感じ」を克服するにはどうすればよいのでしょうか?

驚くべきことに、一部の地ビールメーカーは、廃水を使って特別にバッチ生産したビールを宣伝して、応援しています。スウェーデン、ドイツ、アメリカ、カナダなどのビールメーカーが、このようなバッチ生産のビールを作りましたが、すぐに売り切れてしまいました。

ビール社Village Breweryの醸造責任者であるJeremy McLaughlin氏は、「もともとの気持ち悪いという感覚を乗り越えるべき精神的なハードルはあります」と言います。「しかし、私たちはこの水が安全であることをよく知っていますし、このプロセスを支持しています」

水の再利用はまだ始まったばかりですが、世界のほとんどの地域で開発が行われています。みんなで、乾杯して成功を祈りましょう!

カルガリー大学とカルガリー市が運営管理する排水処理・水質改善研究施設のACWAは、Village ビール社および Xylem社と提携し、再利用水を使ったビールを製造し、廃水処理が水不足の解消に役立つことを実証しました。

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